當世鳴鳥狩 齋藤幹夫 書初めに「紫色雁高我開令入給」大師流にしたため 烏帽子覆面赤袴 口語譯懸想 文賣 ねりありくらし 「當世鳴鳥 狩 」と氣取し甚六が女郞屋 にて暴 利 たくられり 助六を食 みておもふはとほき世の江戸の吉原中之町かな 梅剪 りて櫻折りたる向い家の關白亭主攝政女房 緋のハーレー・ダヴィッドソンとともにお釋迦の俗物の叔父にぞくぞく 花の定座を橫から掠む粹人は儲け無くとも賣るが喧嘩と 花のもとにてさしつさされつ 義によつて某 助太刀いたし候姫赤立羽 捕らへむとして爲 止 したり本日出雲阿國の忌日 刎頚の友の身の丈六フィート超えおそらくは彼奴、ガニメアン 綠陰突如明るみに出づ國道の轢死の獸 にむらがる鴉 綠靑の作 業 着 の單車屋の主人 眼鏡レンチで薔薇指し示す 日本領空侵犯嬉し迷蝶の淡靑長尾 波紋 小 灰 蝶 徑山寺味噌を肴に盞 をあぐ友の仇名「赤翡翠 」 どうせ脱ぐからかまふものかと土砂降りの鵲橋を傘差さずして 芭蕉科の旅人の木とたれ名づけしや蝉しぐれしぐれにしぐれ 靑眞珠色の高千穗蛇の餌冷凍鼠十匹 千圓 フラー忌の今日もどこかで嬰兒 の産聲も死のはじまりとなり桔梗 を中心にして團欒のわれの家族はたぶんCG 古書肆店頭私家版源氏物語五十五帖「臭桐」燒アリ 叶ふことなき片戀あはれ門限の必殺釣甁落しを食らへ! 女敵は花の顏 月の眉雪の肌 の風流誑し 昨日の友も今日は敵にて共食ひの背黑蝗に喉佛あり いにしへの生墻に「屋彌樣於路志藥あり」てふ貼 紙 がびらびら 東西東西、昔 娘 戀 傾 秋 風 夢之段。始 左 樣 。 忍るは刄で翳 すしたごころ甘露子 甘酢に浸したりけり 諸事情により張り倒したし翠 玉 色 の洟を埀らせる小僧 雪嶺のこの大男モンブランたひらげるとか 一度に五個も 『假名手本忠臣藏』に發作性頭位眩暈症にてゆけず ドナティアン・アルフォンス・フランソワ・ド・サド忌牛 尾 菜 に羽交ひ締めにされたい
2013年2月14日木曜日
短歌三十首「當世鳴鳥狩」/ 齋藤幹夫
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