俳諧無宿 風花銀次 旅に倦んで足洗ひけり猫じやらし 冬ふかしさへづりが煮えてもひとり 降る雪や晩節が長すぎるなり 去年今年» PDFで読む二 十 一 目 に去り嫌ひなし 旨ししらうを魂魄の紺透けて 錐揉みに夢見月とはなりにけり 次の間の雛が茶を挽く修羅場かな 嵌め殺す障子のむかうがはに春 餘所妻のゐなじむ家や目借時 櫻烏賊おのれが腸 にまみれけり 散るときの所作敎へあふ櫻かな 賽の目に春の行方を尋ねけり 菖蒲湯に皮膚そのほかを洗ひけり 醉生の渡世てふ卯の花くたし 梅雨寒やあたゝめなをす博奕汁 夏座敷とまれかくまれ壺を振る高市 に影ろふ男となりにけり夕 立 して盆茣蓙にだれ沈めうか 夏柳だてらにてやんでえめけり 夏痩せの肩で風切る詐欺師美男 もの食へばもの食ふ音す木下闇女郞花 仁はいざ義は通らざり 秋旱化札が化けそこねたり 五七五の目はなかりけり初あらし 暮れかねて俳味を隱す手本引き なんの不 見 點 でござんす冬に入る もうないかもうないか筑波颪かな 朱欒一顆輾轉煩惱卽菩提順 はぬ耳ふたつあり冬籠る素 十 九 といふこともあるゆゑ生きむ
2012年9月22日土曜日
俳句三十句「俳諧無宿」/ 風花銀次
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