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2013年7月7日日曜日

短歌&随想「翼擴星」/ 齋藤幹夫

翼擴星 -やほよろづの星々-  齋藤幹夫

昧爽の星天幕のうらがはへ流れ鵲橋の殘像

 渡り鳥にも越冬の爲南方へ渡つて行く夏鳥、越冬の爲に北方から渡つて來る冬鳥とあり、その他に旅鳥・漂鳥・留鳥等、鳥の行動に應じた呼び名がある。本邦で冬鳥の白鳥は、星座の世界においては夏の鳥。銀漢の眞上にその翼を擴げ、尾の部分にあたるデネブは、ヴェガとアルタイルとで夏の大三角を形作る。  神話では說が幾つかあり、そのひとつがゼウスが白鳥に化けたもので、これまた好色漢まるだしの逸話となつてゐる。