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2014年10月12日日曜日

短歌十首「點靑の書」/ 齋藤幹夫

點靑の書         齋藤幹夫

色欲の色褪せつつを中空なかぞら秋茜あきあふとひきかへしたり
火事喧嘩稻荷に犬の糞そして新蕎麥手繰る伊勢屋のあにい
七竈、茱萸、まゆみの實、紅葉もみじ、ああ夢に血紅を嗅ぐ白秋忌
紅葉こうえふの蔭に老婆の向か齒幾枚か缼け哄笑がすさまじ
おきぬけの モーゼ、約三千五百年前に埃及を出ず
ブリューゲル狂ひの叔父の遺品『癡愚神禮贊』の栞の楓葉かへで
咳しても無視 愛人と圍みゐし柚子鍋に牡蠣ひくひくとして

2014年9月26日金曜日

ひとり兎園會 8 「影女」/ 齋藤幹夫

 ひとり兎園會 ―其之捌 影女―      齋藤幹夫


ものゝけのあるいへには月かげに女のかげ障子せうじなどにうつると云。荘子さうじにも 罔 両 もうりやうと景と問答もんだうせし事あり。景は人のかげ也。 罔 両 もうりやうかげのそばにある微 陰うすきかげなり。
           『今昔百鬼拾遺』「影女」より  鳥山石燕

2014年9月20日土曜日

詞句窯變 ― trans haiku 009 / 風花銀次譯


Ourai ga shi ni naru ame no katachi kana

往来が詩になる雨のかたちかな

2014年9月10日水曜日

俳句十句「臍美人」/ 綠月亭

臍美人            綠月亭

晝行燈みてえなつらや一夜酒
むかでむしむかし着釱ちやくだのなんとやら
蟬丸忌よいではないかなりませぬ
莫告藻なのりその汁や隣家よりくしやみ
單帶床に流せし臍美人
吉丁蟲たまむし轢死輝きいまだ失せもせで
季違ひの沙汰の句を捨つ殘暑かな
迎へ鐘畜生道でひきかへす
小屋掛の盆狂言のいろをとこ
鳴く蚯蚓お涙頂戴つかまつる
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2014年7月5日土曜日

小説「仁丹塔」(改訂版)/ 齋藤幹夫

2014年4月28日月曜日

小説「身代わり狂騒曲」 14 ‐ 旅立ち / 風花千里

2014年4月18日金曜日

両吟歌仙「とろゝ汁」/ 銀次&千里


両吟歌仙「とろゝ汁」
                 風花銀次
                 風花千里
 
いつどこで巻いたものやら定かならねど文筥の底より出で来たるゆきし春の膝送り両吟歌仙。いづれにしろ若書きだから、粘りはないがあまあま。
ちと唐辛子が欲しいねぃ。
 
 
遅き日や芭蕉も食ひしとろゝ汁     銀次
 
 やまと糊にもふる春埃        千里
 
遠足のくつ、くつ、くつがみな弾み    仝
 
 雲の上なる峯にありけり        次
 
小さかる窓こそよけれ夏の月       仝
 
 白百合ばうと立つを引き抜き      里

2014年4月6日日曜日

小説「身代わり狂騒曲」 13 ‐ 蘇る源内 / 風花千里

2014年2月18日火曜日

小説「身代わり狂騒曲」 12 ‐ 密談 / 風花千里

2014年1月3日金曜日

小説「身代わり狂騒曲」 11 ‐ 果たし合い / 風花千里