しばしお待ちを...

2017年6月21日水曜日

小説「座敷鷹」/ 風花千里

2017年6月19日月曜日

短歌十五首「でいどりぃむ・びりぃばぁ」/ 風花銀次

でいどりぃむ・びりぃばぁ  風花銀次

半玉ハ未成熟ナル玉體ノ謂デアリ似而非通語ナリ(嘘)
蠅聲さばへなす左翼どころか うようよと雨後の筍のごとし、うるさし
朋友相信シ すなはちの必殺掌返しをくらへ!
廻廊に奧こそあらね 見え隱れしつつぬばたまの黑歷史
氣がつけば戰爭の後ろに立つてゐた 失ひしは顏色か、顏か
菊科植物息絶え絶えに枯葎より「朕惟ハザレド朕アリ」
「惟フ」と「思フ」の違ひにおもひいたさざること久し あはれ菊に首なし

2017年6月1日木曜日

短歌十五首「エクリプス館」/ 風花銀次

エクリプス館       風花銀次

「飛行機はひたぶるに地を戀へり」とぞはつなつ誤配の葉書が屆く
われのかたはらに見知らぬ戀人がまふ〈エクリプス館〉棧敷にて
火星マルス金星ウェヌスとせごとのきぬぎぬのかなしみかさぬ 永久とはにかさねよ
あまいあまいカフェ・ド・ボルジア飮みほして今夜は死んだやうに眠らう
不 忍 戀しのばざるこひとよ意氣のきはみにて淡淡あはあはとたまかぎる遊冶郞
彼女の部屋に三日ゐつづけいまさらに鈍色の痩身器おそろし
醒めつつ愛を語らふわれのまなかひにゆりかうゆられ百合鴎飛ぶ