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2018年1月17日水曜日

短歌十首「花妖」/ 風花銀次

花妖           風花銀次

渴愛てふほどにあらねど西のかたに太白あふぐ身のふるへかな
花はまだ見ぬ夜のはての梅が枝に架かれる星を憂ふものかは
梅が香のなか步みきてたそがれにたたずむなれを花妖と思ふ
しろたへの梅あざらけき夕べはもいづこもなれの氣配に滿ちて
鶯のなみだ涸れはつかぎろひの春も夕べと言ひしひとはや
ぬばたまのほどきし髮に夕東風を螺鈿のごとくちりばめてゐた
朧夜の寢物語に言ふらくはハートの女王の出自來歷
さはれ花妖に取り憑かれたる幸運な男がゑがく 五芒星ペンタグランマ
朝露に濡れし裳裾をひきずりて歸るカーリーの赤きペディキュア
醉生夢死の夢より後の梅が枝のもとを去りゆくふたつ影かな

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