とけてゆく 風花千里 ダ・ヴィンチの素描の線のかすかなるゆらぎにけふは幻 惑 はされをり 絵葉書の咲 みたる美童の横顔に霧らふヴェネツィアングラスの玻 璃 片 叶ふなら解釈無用の快楽を 男雛をかくしおくおとうとよ 金雀児のえにしを思へ 黙深くもたれあふ少年たちよ、おやすみ そとは昧爽 でかがよへるくうきのなかにあなたがたがとけてゆくのをみつめてゐました
2017年7月21日金曜日
短歌五首「とけてゆく」/ 風花千里
2017年7月8日土曜日
童話「カゲマル」/ 志野 樹
カゲマル 志野 樹 たんぽぽ村は、つゆのきせつをむかえました。 しととと、しとと。 来る日も来る日も、終わることがないかのように、はい色の空から雨つぶがおちてきます。 お日さまの光がとどかないたんぽぽ村は、山も川も、野原も道も、みんなくすんで見えました。 そんな中で、あじさいの花だけが、ふりつづく雨をうけて、青くうつくしく、さいていました。 「はあー、きれいだなあ」 トカゲのカゲマルが、あじさいの花を
2017年7月5日水曜日
短歌十五首「秋霧の」/ 風花銀次
秋霧の 風花銀次 星は熟 れつつありきくちびるかさねあふ二人にかかはりはあらねど 照る月の赤狩り 二十一世紀初頭電腦空間にて いつからかファインダーの中に棲みついた女が顏を見せてくれない 夢は枯野で迷子になつた ブルーズに取り憑かれつちまつたんだッてよ 步み寄る鶴に多生の緣を說き來し方に惛惛と雪降る 玉ニ瑕アリテ其處ヨリ碎ケ散ル故ニ玉碎ト謂フナリ(嘘) 第四の軍に突擊するごとくさかのぼる花筏ありけり
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