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2013年4月29日月曜日

短歌&随想「烏磔星」/ 齋藤幹夫

烏磔星 -やほよろづの星々-  齋藤幹夫

櫻散り梢の先にはりつけの闇夜の烏かがやきにけり

 日本神話の八咫烏は神武東征の際に、神武天皇一行を熊野から大和へと道案内をし皇軍を勝利に導いた。その功績は現代に於いても崇められ、八咫烏を祀る八咫烏神社、熊野那智大社、賀茂御祖神社もある。また陸上自衞隊の中央情報隊、中部方面情報隊、そして日本サッカー協會のシンボルマークになつてをり、一九九七年に發見された火星と木星の小惑星には後に八咫烏と命名されるなど、希臘神話の烏とは月と鼈の違ひがある。

2013年4月26日金曜日

小説「身代わり狂騒曲」 06 ‐ 工房 / 風花千里

2013年4月25日木曜日

詞句窯變 ― trans haiku 006 / 風花銀次譯


Yoru nagara hana no yama towa narinikeri

夜ながら花の山とはなりにけり

2013年4月22日月曜日

小説「曼荼羅風」7 -芝浜- / 齋藤幹夫

2013年4月11日木曜日

ひとり兎園會 6 「轆轤首」/ 齋藤幹夫

 ひとり兎園會 ―其之陸 轆轤首―                 齋藤幹夫

七兵衞の家に一婢あり。人ろくろくびなりといへり。家人にその事を問ふに違はず。二三輩と俱に夜その家にいたる。家人かの婢の寢るのを待ちてこれを告ぐ。源藏往きて視るに、婢こゝろよく寢て覺めず。すでに夜半を過ぐれども、未だ異なることなし。やゝありて婢の胸あたりより、僅かに氣をいだすこと、寒晨に現る口氣の如し。須臾しゆゆにしてやゝ盛にの甑煙そうえんの如く、肩より上は見えぬばかりなり。視る者大いに怪しむ。時に桁上の欄閒を見れば、彼の婢の頭欄閒にありて睡る。その狀梟首の如し。視る者驚駭して動くおとにて、婢轉臥すれば、煙氣もまた消え失せ、頭はもとの如く、婢尚よくいねてめず。就て視れども異なる所なしと。源藏虛妄を言ふものにあらず、實談なるべしとなる。                   「甲子夜話」卷之八より