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2012年11月19日月曜日

短歌十首「吉丁繪」/ 齋藤幹夫

吉丁繪           齋藤幹夫

ふとしかす京の準絶滅危惧は東土龍も東男も
吾妹子よ外へな出でそそこここに五月蠅なす神おはしたまふに
老いてなほ火遊び むかし祖母おほはは蘆薈アロエを塗られたりし思ひ出
金龍山淺草寺鬼燈市に 百二十六年後にもた
楡に吉丁蟲たまむし繪柄のアロハシャツの彼奴きやつ髭風吹いて罷り越したり
赫耀と照れる水面みなものうらがはに男寡婦の鮎竝あいなめ默し
大丈夫下戸の慣らひと出したるは手土産の菓子「鵲の橋」
戀の成就に次ぐほど嬉し尻高貝しつたかの暗綠の肝するり拔けたり
默阿彌の『怪談小幡小平次』を觀てさういへばけふはいり
天地始めて肅し西陽に傾きつ極東にりし日本
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