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2012年10月13日土曜日

ほそみ×銀次 Phoenicurus auroreus


うはの空にわれの愛語を聞き流しふいに鳥めく年上のひと
エントランスのガラスに激突してひっくり返ってました。お尻丸見えでね。 撮影◎細見 撓


 挙動不審なやつは鳥っぽい、てなことを述べたのは稲垣足穂だったか。まあ、だれが述べたかなんてことはたいして重要でなく、なるほど鳥は総じて挙動不審だよなあ、と得心するのみ。
 とはいえ鳥にもいろいろあって風情もそれぞれなのでおもしろく、たとえば鷺や鴫、鶴など渉禽の挙動不審さは物思いに耽る風情。

 迷ふ心の細流れ ちよろちよろ水の一筋に
 恨みの外は白鷺の 水になれたる足どりも
 濡れて雫と消ゆるもの  (長唄「鷺娘」)

 これが鷺じゃなく鶏だったら台無しだ。それでも鶏や家鴨あひるの挙動不審さに愛嬌を覚えるのは、家禽としての人との付き合いの長さの賜物なんだが、なぜか平和のシンボルたる鳩の挙動不審さには時としてイラッとくるから不思議さ。
 さて、ちとムード歌謡っぽい短歌だが、愛語てのは「人々を仏道に導くための心のこもった言葉」のこと。念のため。短歌・文◎風花銀次


おまけのGIFアニメ(ほそみ)

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