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2012年10月20日土曜日

俳句十句「栄花は夢」/ 風花千里

  栄花は夢           風花千里
恋川春町こいかわはるまち〉江戸中期の戯作者、浮世絵師。酒 上 不埒さかのうえのふらちという狂名を持つ狂歌師でもあった。駿河小島藩家臣。『金々先生栄花夢きんきんせんせいえいがのゆめ』で草双紙界に新風を吹き込む。寛政の改革を題材とした黄表紙『鸚鵡返文武二道おうむがえしぶんぶのふたみち』で老中松平定信の怒りを買い、進退に窮した春町は自害して果てたとも伝えられる。
  桔梗きちかうや野暮に仕立てし細面   螻蛄鳴けり俺は無芸とうそぶきて   酒の上の不埒、放埒 栗拾う   月夜かな詠める阿呆に読むあほう   天明の浮かれ騒ぎよ寒波来る   冴えかへる手におしろひを塗る仕草   きぬさらぎ酔眼の底怒りけり   曲水の酒は澄み腑は冥みたる   黄表紙と果てし春町針供養   夏枯や ほんに覚悟の白小袖
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