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2018年7月23日月曜日

短歌十首「酷暑見舞」/ 風花銀次

酷暑見舞          風花銀次

夜涼みに出れば川面をわたりくる風なまぐさし うつつの川の
くさい、うるさい、うるさい、くらい新月の夜の電車が家路を急ぐ
繁華街拔けむとするにをとこらが蒸れてこのうへもなく見苦し
エアーコンディショナーあはれビルヂングせなかあはせの路地裏をゆく
熱中症にて地上には出ざるまま死したる油蟬まん匹
遺棄された危險在來生物が、ほら、わたくしのなかの暗渠に
東京大虐殺あらむ 元號は知らねど庚子文月末とか
庚子葉月立秋の候極熱の酷暑見舞はせそろ。御自愛を。
はづかしながら五輪ののちもながらへて黃色いバスで中 心 街グラウンド・ゼロへ
ちはやふるかみかぜはそよそよとふくばかり につぽんちんぼつの日も

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