一文字小説 其ノ七 風花銀次 |
【解説】 はい、「蛸」の偏と旁 が開いているということで「蛸開」てえ地口です。「たこつび」と読みます。江戸の昔に好色漢 たちのあいだでいわれた上 品開 のうちのひとつで、巾着開 と並び称されました。「開」と書いて、つび、かい、ぼぼ、エトセトラと訓は様々でも指し示すところはひとつで、なんのことかなんてことは説明の要もないわけですが、それはそれとして「おしい事壺は蛸だか面 は芋」なんて柳句をうっかり紹介いたしますと、昨今ではルッキズムの譏りをまぬがれないところで、あたしだって「そりゃ、もっともだ」と思う次第ではあるのだけれど、でもね、蛸と芋てものは実にけっこうな取り合わせでして、はい、たいへん美味である、なんてことを述べてフォローする次第でございます。
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