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二律背反 俳句◎緑月亭 短歌◎齋藤幹夫 棘が葉に摘むもをかしき紅 の花 言の葉を刃 に變へて一身に返り血浴びむ覺悟はありや 死してまでなに抱へ込みたりや蝉 死して屍 拾ふ者ゐて油蝉なほも虚空に獅噛みつきたる 瓜つるりとして憎たらし戀 敵 八百八の瓜賣る兄 聲嗄 れて昨 日 の祭と後の情事と 鼻緖紅き憶 えばかりの盂蘭盆會 初花の零 れたれやも迎え火に紅き鼻緖の中 貫 草 履 處女 八朔や後 朝 に叩き起こされて 男所帶つひに途絶えて裏庭に紅八朔のまだ靑からむ 扇置く疊さざなみたちにけり さざなみの死が近づきぬ火のなかゆ捨てゐし扇ひらきてあはれ 卵塔場おどろおどろし野分かな 孟秋の候 天空に北を差したる颱 風 御陽 氣 鶫 の羽擊き 十六夜や生きてなんぼと僧の言ふ 十六夜の愚圖愚圖として淺草寺裏の安達ヶ原に流連 曼珠沙華血みどろ虚空搔き毟り傾城屋 あとかたもなしかたすみに幽靈花の咲き殘りたる 體こそ正直にして鵙落し 愛しうと戀しうほどの差はあるも盲調子に鳴く囮鵙 稚兒の手に蟷螂の牡 のたれ死に 据膳食ひつぱぐれて恥のうは塗りの蟷螂の牡 生きながらへり 痔拗らせぬかるみ歩むはせをの忌 加濕器突如唸りだしたる時雨忌の夜の異常乾燥注意報金色 の土左衞門めく柚子浮かぶ 庭の花壇に湯上りの柚子棄つ いまや九相圖膿爛相の頃匕 首 をのむ懷 晒し煤拂魔 切 一丁舟より降ろし錆聲に「今日が納めの金毘羅さんよ」 寢正月鶴龜算も忘れにき 龜眠り鶴彳 ちゐしを正月も早早に大寒波襲來
2012年12月18日火曜日
緑月亭&齋藤幹夫「二律背反」
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