両吟歌仙「とろゝ汁」 風花銀次 風花千里いつどこで巻いたものやら定かならねど文筥の底より出で来たるゆきし春の膝送り両吟歌仙。いづれにしろ若書きだから、粘りはないがあまあま。 ちと唐辛子が欲しいねぃ。 遅き日や芭蕉も食ひしとろゝ汁 銀次 やまと糊にもふる春埃 千里 遠足のくつ、くつ、くつがみな弾み 仝 雲の上なる峯にありけり 次 小さかる窓こそよけれ夏の月 仝 白百合ばうと立つを引き抜き 里 ケータイの未読メールにどきどき・どくん 仝 吾名な告げそ地 震 揺り来とも 次 ふくと鍋心中てふもありぬべし 仝 つるんで戦ふ仮面ライダー 里 秋風が洗濯槽に目ェまはす 仝 菊うらうらをうちながめゐて 次 帰らむにあてなし長き夜の道 仝 つきにきづいてきつつきこけた 里 新築の家の地階の能舞台 仝 ほむべくもなき壁などもほむ 次 肝胆のくらきところゆ花の冷え 仝 蜆に似たる瀬戸の盃 里 春雷につき動かされ逆上がり 仝 天地無用ノ介が泪す 次 佳きひとが埒もなきことばかり言ひ 仝 実験室に睦みあふ虫 里 ウエハースのお城みつけて暮らさうよ 仝 闇よりも濃き黒旗掲げて 次 粉雪を掃くもありまた吐くもあり 仝 ジグザグやつてくる流行り風邪 里 にんまりと▲ の万馬券 仝 はしりの蕎麦のさてもうまかる 次 世語りに名高き月が出かかりて 仝 そぞろに寒し京のこそ泥 里 鳳凰の飛ぶかと見えし墨の跡 仝 鈍き光がはねてなまめく 次 漁りの上手の手よりこぼれける 仝 霞まるめて遊ぶ仙人 里 贈られしびつくり箱より花が咲き 仝 春たけなはといへど静けし 次
2014年4月18日金曜日
両吟歌仙「とろゝ汁」/ 銀次&千里
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