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2017年9月21日木曜日

短歌五首「秋楽章」/ 風花千里

秋楽章          風花千里

秤とミモザさりげなくかつ去り難く撫であげてゆく風のやさしき
金鈴のころがるごとしビブラート奏でるときにまろぶ喉骨
気圧高まる真昼間きみの口腔の深き泉に渇きをいやす
殉教図壁に懸けて眺めるなら対の絵としてこの身かけおく
目覚めれば傍らの人の肉桂の匂ひともなひ閉じてゆく秋
つややかな蜘蛛の褥にちきたる朝の滴の千の目咎む

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