秋楽章 風花千里 秤とミモザさりげなくかつ去り難く撫であげてゆく風の羞やさしき 金鈴のころがるごとしビブラート奏でるときに転まろぶ喉骨 気圧高まる真昼間きみの口腔の深き泉に渇きをいやす 殉教図壁に懸けて眺めるなら対の絵としてこの身かけおく 目覚めれば傍らの人の肉桂の匂ひともなひ閉じてゆく秋 つややかな蜘蛛の褥に顕たちきたる朝の滴の千の目咎む
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