烏兎匆匆 風花銀次 國ぶりの態位をたゞす神樂かな 去年今年流るればこそ志染川 そのさきに鳳穴あらむ揚げ雲雀 貌鳥のおのれがほなる尖りかな 蟲穴を出でざるもあり» PDFで読む地鎭祭 荒壁やそこかしこなる地 祇 音立てて水飮む蝶や無人驛 かげろふにわれは鬆 が立つをとこかな 淺蜊ごときが舌を出しけり日向灘 天人の捨て盃か花に月 戀猫に猫ならざるはなかりけり霾 るをうつゝの夢に告げられき きぬ〴〵の春鹿に眉なかりけり 一蝶去つて高千穗峽のふかみどり つのぜみは動く伽藍といふべかり かなぶんのぶんともいはぬ暑さかな寄風邪戀 の句もあれ晝寢覺め 痩せにけり蚊絣の蚊を翔 たしめて 夏足袋や行きあたりたる勘どころ 裸體から裸體へと羽化いたしけり 白玉や十指にあまる似而非通語 木に縁 りて陸寄居虫 鳴くなり月凉し 夜の虹うごくとみれば馬陸 かな 捨てられて化天を展く扇かな香細 しやいはゞ韋駄天走り蕎麦 歳月やまはるお壽司の皿の色 秋ふかしおもへば耳をもてりけり 蜜月や颱風の目に目を合はす 陸封の人と雨月をかこちけり この世からひやかしにゆく月夜かな
2012年8月4日土曜日
俳句三十句「烏兎匆匆」/ 風花銀次
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