しばしお待ちを...

2017年4月2日日曜日

短歌十首「野を征かば」/ 風花銀次

野を征かば        風花銀次

うはの空にわれの愛語を聞き流しふいに鳥めく年上のひと
身をえうなきものにおもひつ 相照らす肝膽にほのくらき一隅
千早振る神去月はたそがれの國に咲くてふ櫻見にゆく
野を征かば立ち枯れの向日葵群れて南みんなみへ驅け出ださむばかり
鈴蘭臺驛發君影團地行バス停のかはたれ 見覺ゆ
夫婦相和し革命歌連彈のそののちのゆくへが杳として知れぬ
小葉立浪草こばのたつなみさうの波濤にさらはるるほどな小さきひとに生まれき
慕はしき死をおもほゆに夜櫻のライトアップがうるさし、消なむ
ひさかたの惡漢ピカロ惡女ピカラ額寄せ合ひて花舖襲擊のたくらみ
ものをいはねど總身が寒し水面に口紅水仙さかしまに咲き

0 件のコメント:

コメントを投稿