野を征かば 風花銀次
うはの空にわれの愛語を聞き流しふいに鳥めく年上のひと
身をえうなきものにおもひつ 相照らす肝膽にほのくらき一隅
千早振る神去月はたそがれの國に咲くてふ櫻見にゆく
野を征かば立ち枯れの向日葵群れて南へ驅け出ださむばかり
鈴蘭臺驛發君影團地行バス停のかはたれ 見覺ゆ
夫婦相和し革命歌連彈のそののちのゆくへが杳として知れぬ
小葉立浪草の波濤にさらはるるほどな小さきひとに生まれき
慕はしき死をおもほゆに夜櫻のライトアップがうるさし、消なむ
ひさかたの惡漢と惡女額寄せ合ひて花舖襲擊のたくらみ
ものをいはねど總身が寒し水面に口紅水仙さかしまに咲き
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