駄天使 風花銀次 果物籠をかかへて永 久 に童形の駄天使カラヴァッジオがたたずむ 夜ふけ貴腐葡萄一房かこみゐて病めるバッカスめける若きら 天上的愛に想ひをいたし「お稚兒さん 」てふ名の巨犬曳きゆく 沙汰のかぎり女占ひ師とわれが羅 睺 を視てしまつたことなど 戀にも革命にも醒めてきみが彈くリュートよりほとばしるかなしみ 洗禮者聖ヨハネ像にゑがかれて歸る女衒にふる春の雨 われをやさしく殺ししのちはゑまふほかなくてほほゑむ男娼ダヴィデ 若草の未亡人が酒さげてきて〽それにつけても首 級 の欲うしさよ おおマリア、あらかねのつちふまずもてふまれたる蛇 になりたい 勝ち誇るアモルを私せむとしてその日よりうちつづく曇天
2017年5月1日月曜日
短歌十首「駄天使」/ 風花銀次
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿